あしゅの気まぐれブログアニメ・コミックの感想。音楽CDのレビューなど。 ※Firefox環境
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前4作まで読了― 表紙絵から谷崎潤一郎の『刺青』を彷彿したが、全く関係なかった。女郎蜘蛛であることより、蜘蛛の巣に意味があったようだ。 エンターテイメント性の高さを評価すれば、『魍魎の匣』と同じかそれ以上。『魍魎の匣』の加奈子も事件の背景の一つに密接に関わるので、『魍魎の匣』の続編としてのアニメ化も是非やってほしい。刑事・木場が主ストーリーに入り込む事で推理小説的エッセンスが加わり、物語としての面白さは格段に上がる、そして現れては消える犯人・関係者、エンターテイメント性の正体はそこにあるのではないだろうか。もちろん百鬼夜行シリーズは「推理」という要素を重要視しない、犯人の推理ぐらいはできるがトリック(と呼んでいいのかは疑問だが、それ以外の語彙が無いので・・)に関しては推理のしようが無いだろう。 終盤、次々と人が死んでいく場面では『姑獲鳥の夏』を思わせる。今作冒頭部にあるように、(また前4作でも述べられているように)京極堂は自分の関わる事件で人が死ぬ事を好まない、もちろん大抵の人間は人が死ぬ事など好むわけは無いが、彼の場合はその言葉が持つ「呪」で人の生死に大きく影響を与えすぎる。それゆえにいつも事件には関わろうとせず傍観者を決め込むわけだが、最後には事件に関わり、幾人もの関係者が命を落とす。 冒頭部(作品内の時系列では最後となる)では彼の持つ矛盾を"蜘蛛"に指摘される。 他者によって自分の持つ矛盾を再確認させられた京極堂が今後の作品ではどう動くのか、それもまた興味深い。 ◆◆読書メーター◆◆ 【アニメ版】魍魎の匣 全13話 【文庫版】鉄鼠の檻 ![]() ![]() ![]() 京極夏彦 姑獲鳥の夏 魍魎の匣 狂骨の夢 鉄鼠の檻 絡新婦の理 スポンサーサイト
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